




幕末維新の時代。新潟県内は長岡藩や高田藩、村上藩、新発田藩、幕府領など
複雑に分かれており、やがて北越戦争が勃発すると
それぞれが敵味方に分かれて刃を交えた。
その痕跡は、県内各地に遺る石碑や城址などの史跡に見ることができるが、
実はもうひとつ、その歴史を伝える希有な存在がある。
江戸の当時より営業を続ける、料理店や菓子店、酒蔵などの老舗店だ。
維新の人物も、もちろん三度の食事を執り、時に杯を傾けながら時勢を語り合った。
彼らが足を運んだ、これらの老舗店には、その味とともに
当時の歴史秘話が、代々に継承され続けていた。
それは決して歴史年表からは窺うことのできない、民間によって伝えられてきた
貴重な逸話ばかりで、そこには、もうひとつの幕末維新史があった。
さらに、彼らが愛した美味を、実際に味わうことができるこれらの老舗店は、
もはや「史跡」以上の存在であり、味覚を通じて、
我々を幕末維新の世界へ導いてくれる。
越後新潟の老舗店に秘められた維新秘話と、
代々に継承され続けている味の物語を徹底紹介したのが本書である。
幕末維新の逸話が伝わる老舗の数々!!
高杉晋作や河井継之助、明治天皇が愛した
大和屋の越乃雪
北越戦争に敗れた長岡藩士を癒やした
柏露酒造
会談決裂後、河井継之助が昼食をとった伝わる
東 忠
明治天皇も自らがお買い上げになった
髙橋孫左衛門商店
東郷平八郎滞在の部屋がのこる
行形亭
会津藩松平家誕生につながる名家がはじめた
神尾弁当
有栖川宮熾仁親王に嫁いだ董子妃に届けられた
菊 谷
長州征伐や北越戦争で長岡藩の御用を務めた
紅屋重正
米沢藩の会計方、八木朋直滞在の酒蔵
越銘醸
将軍家茂や井伊直弼にも献上された
本間屋の柚餅子
初代新潟奉行、川村修就の下屋敷ではじめられた
大橋屋
県令・楠本正隆らの協力によって開業された
イタリア軒
梁川星巌に師事し、新発田の文化発展に寄与した
市島酒造
藩主・内藤信親に信頼された
九重園
西郷隆盛が鮭料理を堪能したと伝わる料亭
能登新


その他、特別コラムも盛りだくさん!!
◎旅日記「塵壺」に見る河井継之助グルメレポート
◎河井継之助と肉
◎山本帯刀から五十六へ引き継がれた常在戦場の精神〜五十六が愛した長岡グルメ〜
◎河井継之助が愛した長岡の郷土料理・桜飯とは
◎栃尾が生んだ偉大なる明治の実業家・外山脩造
◎三根山藩と米百俵
◎内国勧業博覧会と越後の逸品
◎失職した旧高田藩士を救ったお堀の蓮
◎豪農・市島宗家
◎白勢和一郎によって広められた新発田のフルーツ
◎村上藩を支えた三面川の鮭
◎西郷隆盛、新潟来訪の謎に迫る!!
◎庄内柿のルーツは新潟にあり!!


中川清兵衛ゆかりの
サッポロビール
河井継之助の夢が託された
アサヒビール
勝海舟が応援した川上善兵衛の
岩の原葡萄園



未だ幕末維新の余韻が残る明治十一年。
明治天皇は八月三十日から十一月九日に至る
七十二日間にわたり、北陸・東海道へ巡幸された。
その際、新潟へ行幸された九月十日から二十八日までの
行程とそこにまつわるグルメ物語を一挙大紹介!!
